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特定技能の人材紹介会社の選び方|採用企業と登録支援機関の違い

転職Doc編集部 更新: 2026年9月20日

特定技能の外国人材を採用しようとして、紹介会社・登録支援機関・受入れ機関という言葉が混在し、誰に何を払うのか分からなくなっていませんか。この3つは法律上の役割が異なり、費用も別々に発生します。転職Docは、職業安定法と出入国管理及び難民認定法(入管法)の条文、出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿、登録支援機関・人材紹介会社の公式サイトを直接確認しました。この記事では、その記録をもとに3者の役割の違いと費用の二重構造、選び方の確認点を整理します。

特定技能の採用に関わる3つの窓口とは何か

有料職業紹介事業者、登録支援機関、受入れ機関の3つです。役割の根拠となる法律が異なります。

3者の役割と根拠法を表で整理する

| 立場 | 何をするか | 根拠法 | 費用の性質 | |---|---|---|---| | 有料職業紹介事業者 | 求人と求職者のあっせん | 職業安定法(厚生労働大臣の許可) | 紹介手数料(成功報酬が中心) | | 登録支援機関 | 1号特定技能外国人支援計画の実施を受託 | 入管法第19条の23以降(出入国在留管理庁長官の登録) | 支援委託費(月額が中心) | | 受入れ機関 | 特定技能外国人を雇用する当事者(採用企業自身) | 入管法(特定技能所属機関としての基準) | 紹介手数料・支援委託費の支払い元 |

受入れ機関は採用企業そのものを指します。求人のあっせんを受けるかどうかは有料職業紹介事業者との関係、支援計画を誰が実施するかは登録支援機関との関係です。1社が紹介と支援の両方を兼ねている場合もありますが、契約と費用は法律上、別の役割として整理されています。

特定技能の人材紹介にも職業安定法の許可・手数料規制は適用されるのか

適用されます。特定技能だからといって別の許可制度にはなりません。外国人を紹介する場合も、職業安定法上の有料職業紹介事業の許可が必要です。

職業安定法第32条の3は、有料職業紹介事業者が徴収できる手数料を、厚生労働省令が上限を定める上限制手数料と、あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づく届出制手数料に区分しています(e-Gov法令検索、2026年9月20日確認)。この区分は国内人材の紹介と同じ枠組みで、特定技能の外国人材を紹介する場合にも適用されます。手数料の相場全体は「人材紹介の手数料相場」に整理しています。

求職者本人からの手数料徴収は原則禁止されている

職業安定法は、有料職業紹介事業者が求職者本人から手数料を徴収することを原則として禁止しています。特定技能外国人であっても求職者である以上、この原則は変わりません。紹介手数料や支援委託費は受入れ機関(採用企業)が負担する費用であり、外国人本人に転嫁してよい費用ではありません。登録支援機関の登録要件にも同じ考え方が表れています。法務省の資料は、登録要件の1つとして「支援の費用を直接又は間接的に外国人本人に負担させないこと」を挙げています(「新たな外国人材受入れ制度(登録支援機関用)」法務省、2026年9月20日取得)。

登録支援機関になるにはどんな登録が必要か

出入国在留管理庁長官の登録が必要です。登録支援機関は入管法第19条の23以降の規定に基づく制度で、誰でも名乗れる肩書きではありません。

法務省の資料によると、登録の要件には、支援責任者および1名以上の支援担当者(常勤)を選任していること、外国人が十分理解できる言語で支援を実施できる体制を有すること、1年以内に責めに帰すべき事由で行方不明者を発生させていないことなどが含まれます(「新たな外国人材受入れ制度(登録支援機関用)」法務省、2026年9月20日取得)。登録の期間は5年間で、更新が必要です。

登録支援機関登録簿でどこまで確認できるか

登録を受けた機関は登録支援機関登録簿に掲載され、出入国在留管理庁のホームページで公表されます。同庁のページには「2026年9月17日現在」の時点で11,615件が登録されていると明記されています(出入国在留管理庁「登録支援機関」、2026年9月20日取得)。登録を抹消された機関は掲載されません。名乗られた登録番号を、この登録簿と照合することで、登録の有無を確認できます。

紹介手数料と支援委託費、何が二重に発生するのか

特定技能の採用では、紹介手数料(人材紹介会社への成功報酬)と支援委託費(登録支援機関への月額費用)が別々に発生します。1社が両方を兼ねていても、費用の性質は分かれています。

転職Docは2026年9月20日、登録支援機関としての実績を持つ会社2社の公式サイトを確認しました。1社は具体的な支援委託費の金額を記載せず、出入国在留管理庁の調査を引用する形にとどめていました。もう1社も自社の金額は非公開で、同じ出入国在留管理庁の調査を紹介していました。2社とも、自社の支援委託費そのものは公式サイトで公開していません。2社の例であり、業界全体の公開状況を示すものではありません。

支援委託費の相場はどこまで一次資料で裏付けられるか

2社が引用していた出入国在留管理庁の調査によると、特定技能外国人1人当たりの支援委託費の月額平均は28,386円で、月額3万円以下の登録支援機関が全体の約9割を占めるとされています(出入国在留管理庁「特定技能外国人1人当たりの支援委託料(月額・暫定値)」。2022年9月末時点の在留者について有償委託とされた分の集計で、2026年現在の相場ではありません)。金額を確定情報として使う場合は、見積もり時に登録支援機関へ直接確認してください。

紹介手数料は公開している会社もある

一方、特定技能の人材紹介を手がける会社の中には、紹介手数料を公式サイトに明記しているところもあります。確認できた1社は、海外在住の未経験者で20万円から、経験者や日本在住者で30万円から40万円という定額制の料金を公式サイトに掲載していました(2026年9月20日取得)。同社は自社の調査として、紹介会社43社を調べ、料金を公開していたのは13社だったという集計も掲載しています。料金を公開していた13社の実額は10万円台から60万円台まで幅があったとのことです。43社中13社という母数から、多くの紹介会社は料金を公式サイトに掲載していない状況がうかがえます。

紹介手数料の相場はどのくらいか

課金方式が職種・在留資格によって異なるため、一律の相場を示すのは困難です。特定技能は定額制、技術・人文知識・国際業務(技人国)は定率制が中心という違いがあります。

技人国では、理論年収の20%から40%程度(中心は30%前後)の定率制を採用する紹介会社が多く見られます。この定率制は「成功報酬の計算方法」で計算の仕組みを解説しています。これに対し、特定技能の紹介では、前述のとおり20万円台から40万円台の定額制を採る例が確認できました。定率制と定額制のどちらを採るかは紹介会社ごとに異なるため、見積もり時に課金方式そのものを確認する必要があります。

特定技能の主要分野と重なる職種の国内相場も参考になる

特定技能専用の手数料統計は現時点で公表されていません。参考として、厚生労働省「人材サービス総合サイト」の職種別手数料実績率のうち、特定技能の主要分野と重なる職種を見ると、施設介護の職業は事業主134社の中央値20.3%、製品製造・加工処理工(金属製品)は事業主48社の中央値22.1%、同(金属製品・食料品等を除く)は事業主64社の中央値25.5%でした(厚生労働省「人材サービス総合サイト」2026年9月19日取得、転職Doc編集部集計)。国内人材の紹介における職種別料率であり、特定技能の外国人材紹介に専用の料率ではない点に注意してください。介護分野の手数料は「介護施設向け人材紹介の手数料」でも詳しく扱っています。

紹介会社と登録支援機関、どちらに何を確認すればいいのか

依頼する前に、許可・登録の有無と費用の内訳を分けて確認します。確認する相手によって聞くべき番号が異なります。

  • 有料職業紹介事業者には、職業安定法に基づく有料職業紹介事業の許可番号を確認する
  • 登録支援機関には、入管法に基づく登録支援機関登録番号を確認し、登録支援機関登録簿の記載と照合する
  • 紹介手数料が定額制か定率制か、料率や金額の根拠を書面で確認する
  • 支援委託費が月額いくらで、初期費用が別に発生するかを見積もりで確認する
  • 1号特定技能外国人支援計画の10項目を、どこまで実施してもらえるかを支援委託契約書で確認する
  • 支援の費用を外国人本人に負担させる条項がないかを確認する

同じ会社が紹介と支援の両方を担う場合でも、契約書は紹介手数料の契約と支援委託契約が別になっているのが一般的です。2つの契約を1つの見積もりだと思い込まないことが、費用を見誤らないための出発点です。契約書全般の確認点は「人材紹介の契約書の注意点」に、依頼から入社までの流れは「人材紹介を依頼する流れ」にまとめています。紹介会社そのものの選び方は「紹介会社の選び方7つの基準」で整理しています。

よくある質問

Q. 特定技能の紹介手数料と、登録支援機関の支援委託費は同じ会社にまとめて払えるか A. 人材紹介と登録支援機関の両方の機能を持つ会社であれば、1社で完結できます。ただし紹介手数料(成功報酬・多くは定額)と支援委託費(月額)は請求の性質が別であるため、契約書や見積もりで2つの費用が分けて記載されているかを確認します。

Q. 登録支援機関に委託せず、受入れ機関が自分で支援計画を実施することはできるか A. できます。1号特定技能外国人支援計画は受入れ機関が自ら実施することも、登録支援機関に委託することも認められています。自社で実施する場合は支援委託費が発生しない一方、10項目の支援を継続して実施する体制を社内に持つ必要があります。

Q. 特定技能の紹介手数料は、技術・人文知識・国際業務(技人国)の紹介手数料と同じ水準か A. 水準も課金方式も異なります。技人国は理論年収の20〜40%程度(中心は30%前後)の定率制が中心ですが、特定技能は定額制を採用する紹介会社が多く見られます。職種・採用ルートによって差があるため、個別の見積もりで確認します。

Q. 登録支援機関として本物かどうかは、どこで確認できるか A. 出入国在留管理庁が公表する登録支援機関登録簿で確認できます。登録を受けた機関だけが登録簿に掲載され、登録を抹消された機関は掲載されません。登録支援機関登録番号を伝えてもらい、登録簿の記載と照合します。

まとめ

特定技能の採用には、有料職業紹介事業者・登録支援機関・受入れ機関という3つの立場が関わり、根拠法も費用の性質も異なります。紹介手数料は成功報酬が中心で定額制の例が多く、支援委託費は月額で継続的に発生します。支援委託費の金額を公式サイトで公開している登録支援機関は少数派でした。依頼前には、許可番号と登録番号を確認したうえで、2つの費用を分けて見積もりを取ることをおすすめします。