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人材紹介会社の選び方|採用企業が比べる7つの基準

転職Doc編集部 更新: 2026年9月19日

人材紹介会社を比較したいとき、何を見ればいいか分からないまま、求人数や会社の知名度で決めていませんか。比較すべき基準は7つあり、そのうち大半は厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で無料で確認できます。この記事では、転職Doc編集部が東京都・看護師(職種コード023)で実際に取得した60件(支店の重複を除くと50社)のデータと、職業安定法の条文をもとに、7つの基準を1つずつ示します。

人材紹介会社を比較するとき、何を基準にすればいいのか

基準は次の7つです。1〜4は人材サービス総合サイトで、5〜7は契約書と自社の採用計画で確認します。

  1. 手数料実績率が公開されているか
  2. 就職者数を「求人数」ではなく「決定数」で見ているか
  3. 6か月以内離職者数から定着率を計算したか
  4. 返戻金制度の条件を確認したか
  5. 手数料の計算根拠(理論年収の定義)が明確か
  6. 契約書に違約金・解除条件が明示されているか
  7. 自社の採用規模に紹介会社が合っているか

基準1 手数料実績率は公開されているか

公開されています。転職Doc編集部が2026年9月19日に、東京都で看護師を取り扱う紹介事業所を検索したところ60件がヒットし、支店の重複を除くと50社のユニークな事業主でした。この50社全てが、手数料実績率または額を人材サービス総合サイトに掲載していました。

内訳は45社が料率(%)表示、5社が金額表示です。%表示だった45社の実績率は10.0%から36.4%まで分布し、中央値は22.9%でした。金額表示の事業所は理論年収に対する実額での届出とみられ、%表示とは単純に並べて比較できません。

この情報提供は任意ではありません。有料職業紹介事業者は職業安定法第32条の16に基づき、就職者数・6か月以内離職者数・手数料に関する事項を情報提供する義務を負います。さらに2025年4月1日の省令改正により、常用就職の実績が多い上位5職種の平均手数料率(実績が10件以下の職種は対象外)を人材サービス総合サイトに公表することが義務化されました。平均手数料率は「求人者から徴収した手数料の総額 ÷ 求職者の予定年収の総額 × 100」で算出されます。検索の具体的な手順は人材サービス総合サイトの見方にまとめています。

基準2 就職者数を「求人数」ではなく「決定数」で見ているか

見る必要があります。求人数は掲載件数にすぎず、実際に何人の採用が決まったかは示しません。人材サービス総合サイトの就職者数(4か月以上の有期または無期雇用)が、決定数にあたります。

編集部が確認した50社のうち5社は、この常用就職者数がゼロでした。うち4社には4か月未満の短期就業の実績があり、人日ベースで9人日から8,893人日まで幅がありました。手数料実績率が掲載されていても、常用の紹介実績がまだ少なく、単発・短期の人員手当てを主にしている可能性があります。手数料の数字だけを見て「実績のある会社」と判断すると、自社が求める対応形態(常勤紹介か短期対応か)とずれることがあります。

| 確認する数字 | 意味 | |---|---| | 就職者数(4か月以上) | 常用の紹介実績。ここがゼロなら常勤採用の実績はまだ薄い | | 就職者数(4か月未満・人日) | 単発・短期対応の実績量 | | 求人数 | 掲載件数。決定数とは別の指標 |

基準3 6か月以内離職者数から定着率を計算したか

計算します。就職者数から離職者数を引いて割れば、定着率が出ます。規模の違う会社同士でも、同じ計算式なら比較できます。

編集部が確認した50社のうち、常用就職者がいる45社を対象に見ると、7社は6か月以内離職者数が「-」(非公開または算出対象外)表示でした。残る38社で定着率を計算すると、26.3%から100%まで幅があり、平均90.3%・中央値96.2%でした。38社中7社(18%)は定着率が80%を下回りました。個別の会社名は、この記事では挙げません。定着率は事業所ごとの規模や職種構成の影響を受けるため、自社が使う予定の会社を人材サービス総合サイトで個別に確認する必要があります。調べ方は定着率(6か月以内離職率)の調べ方で扱っています。

基準4 返戻金制度の条件を確認したか

確認します。返戻金は、入職者が早期に退職した場合に手数料の一部が返る仕組みですが、制度を設けること自体は職業安定法上の義務ではありません。設けるかどうかは紹介会社の任意であり、人材サービス総合サイトの検索結果一覧にも表示されない項目です。

確認するのは3点です。1点目は期間の起算日で、入職日か雇用契約日かで変わります。2点目は返金率の刻みで、編集部が確認した開示例では、1か月以内80%・3か月以内50%のように段階を切る設計でした。3点目は自己都合に限るかどうかで、会社都合や傷病による退職は対象外とされる場合があります。詳しい確認項目は返戻金制度にまとめています。

基準5 手数料の計算根拠(理論年収の定義)は明確か

明確にする必要があります。人材紹介の費用は成功報酬で、内定者が入職した時点で理論年収に料率をかけた金額が確定します。理論年収とは、基本給に加えて夜勤手当・賞与・固定的な役職手当まで含めて算出する、1年間フルタイムで働いた場合の想定支払総額を指します。

同じ30%の料率でも、賞与を含むかどうかで請求額は変わります。年収500万円の看護師を1人採用する場合、賞与を含めるか含めないかで請求額の差は数十万円単位になりえます。この定義は各社の手数料表または個別契約書に書かれているため、契約前に必ず文面で確認してください。手数料相場の目安は人材紹介の手数料相場を参照してください。

基準6 契約書に違約金・解除条件が明示されているか

明示されている契約書を選びます。2025年4月1日施行の職業紹介事業者指針の改定により、求人受付時に明示すべき事項へ「違約金の額、違約金が発生する条件及び解除方法を含む契約の内容」が追加されました。従来は料率と返戻金の記載が中心でしたが、途中解約や違約金の条件まで書面で示すことが求められるようになりました。

自院がチェックすべき項目は次の通りです。

  • 契約期間と自動更新の有無
  • 違約金が発生する条件(他社経由での入職、内定辞退など)
  • 独占契約か非独占契約か
  • 求人票の内容変更・取り下げの手続き

チェックリストの全項目は契約書チェックリストにまとめています。

基準7 自社の採用規模に紹介会社が合っているか

規模で判断します。紹介会社は1人あたりの費用が最も高く、そのかわり社内工数は最も小さくなります。年に1〜2人の採用なら紹介会社だけで足りますが、年に10人を超えるなら求人媒体との併用を検討したほうが採用予算を保ちやすくなります。境目はおおむね年5人前後にあります。採用手段の使い分けは人材紹介と求人媒体の損益分岐で扱っています。

条件を整理してから探したい場合は、職種・勤務地・採用人数・希望の料率を書いて送ると、条件に合う紹介会社からまとめて返信が届きます。費用はかかりません。

よくある質問

Q. 紹介会社は何社くらい併用すればいいか タイプの違う2社が目安です。人材紹介の費用は成功報酬のため、併用しても入職に至らなければ費用は増えません。ただし5社を超えて同じ求人を出すと、同じ候補者が複数社から届き、紹介の帰属で揉めることがあります。

Q. 手数料実績率が低い紹介会社を選べば費用は安くなるか 必ずしもそうではありません。手数料実績率は過去に請求された料率の実績値であり、個別の契約料率は交渉で変わります。料率の数字だけでなく、料率をかける理論年収に何を含むかを契約書で確認してください。

Q. 返戻金制度がない紹介会社と契約してもよいか 契約自体はできます。返戻金制度は職業安定法上の義務ではなく、設けるかどうかは紹介会社の任意です。制度がない場合は、早期離職時の負担をどう扱うか、契約前に個別に確認してください。

Q. 人材サービス総合サイトで確認した数値はいつ時点のものか 掲載されている実績は前年度分が中心で、事業所によって更新のタイミングが異なります。数値を採用の判断材料にするときは、取得日と対象年度をあわせて記録してください。

Q. 求人媒体と人材紹介、どちらを先に検討すべきか 年間の採用人数で判断します。年5人前後を境に、それより少なければ人材紹介、それを超えるなら求人媒体との併用を検討するのが目安です。

まとめ

人材紹介会社を比較する基準は、求人数でも知名度でもありません。手数料実績率・就職者数・定着率・返戻金の4つは人材サービス総合サイトで、手数料の計算根拠・違約金条件・自社の採用規模は契約書と自社の採用計画で確認できます。転職Docが確認した東京都・看護師50社では、この4項目を公開していない事業所は1社もありませんでした。

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