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人材紹介の手数料相場|採用企業向け12職種の手数料率と上限規制

転職Doc編集部 更新: 2026年9月20日

人材紹介の手数料は、いくらが相場なのか。求人担当者がまず知りたい数字です。転職Docは厚生労働省「人材サービス総合サイト」で12職種×47都道府県、事業主1,011件分のデータを一括取得し、手数料実績率を集計しました。この記事では、職種別の中央値と分布、そして職業安定法が定める手数料の法的な枠組みを、条文番号つきで示します。

人材紹介の手数料相場はどのくらいか

手数料実績率を公開している738事業主・1,042件(1事業主が複数職種を扱う場合を含む)の中央値は27.0%です。分布はP10が15.0%、P90が36.7%で、下位10%と上位10%の間に約22ポイントの開きがあります(厚生労働省「人材サービス総合サイト」2026年9月19日取得、編集部集計)。

検索対象になった事業主1,011社のうち、手数料実績率を1職種以上公開しているのは738社(73%)でした。残りの27%は非公開、または手数料を円表示(額)で届け出ているため、率としての比較対象になりません。相場を見るときは、まず自社が依頼したい職種でどれだけの事業主が実績率を公開しているかを確認します。

「相場」とひとことで括ると27.0%という一つの数字に見えますが、実際は職種ごとの分布が大きく異なります。次の見出しで内訳を示します。

職種によって手数料率はどう違うか

医療・介護系は20〜25%、技術・営業系は30〜35%に集中します。集計した12職種の手数料実績率(事業主単位、%表示のみ)は次のとおりです(厚生労働省「人材サービス総合サイト」2026年9月19日取得、転職Doc編集部集計)。

| 職種 | 料率公開 事業主数 | 中央値 | 平均 | P25 | P75 | |---|---|---|---|---|---| | 建築・土木・測量技術者 | 106 | 32.8% | 31.6% | 26.0% | 36.2% | | 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発) | 128 | 32.7% | 31.1% | 25.0% | 35.4% | | 医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 | 39 | 30.0% | 28.7% | 25.0% | 32.7% | | 看護師、准看護師 | 144 | 22.1% | 23.4% | 20.0% | 25.0% | | 保育士・幼稚園教員 | 26 | 26.5% | 25.3% | 25.0% | 28.8% | | 営業の職業 | 257 | 32.6% | 31.4% | 27.0% | 35.0% | | 福祉・介護の専門的職業 | 59 | 23.5% | 23.7% | 20.0% | 30.0% | | 施設介護の職業 | 134 | 20.3% | 20.0% | 18.0% | 25.0% | | 訪問介護の職業 | 28 | 22.1% | 23.2% | 20.0% | 30.0% | | 製品製造・加工処理工(金属製品) | 48 | 22.1% | 22.8% | 13.3% | 30.0% | | 製品製造・加工処理工(金属製品・食料品等を除く) | 64 | 25.5% | 24.5% | 20.0% | 30.0% | | 貨物自動車運転の職業 | 9 | 24.0% | 21.9% | 15.0% | 30.0% |

貨物自動車運転の職業は料率を公開している事業主が9社しかなく、相場と呼べる標本数ではありません。この職種だけは「9事業主の例」として見てください。

技術系(建築・土木、情報処理)と営業系がいずれも中央値32%台後半に並ぶのに対し、看護師と施設介護は20〜22%台に集まっています。同じ「人材紹介」でも、求人が多く候補者の専門性が高い職種ほど料率が高くなる傾向があります。自社の職種を比較する際は、全体の中央値27.0%ではなく、上の表から同一職種の行を見てください。

人材紹介の手数料はどのような法令で決まるのか

職業安定法第32条の3は、有料職業紹介事業者が徴収できる手数料を、厚生労働省令で上限が定められた上限制手数料と、あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づく届出制手数料に区分しています。求人受付時に徴収できる受付手数料も同条に含まれ、この3種類以外の名義で手数料や報酬を受け取ることはできません。

上限制手数料は、期間の定めのない雇用契約で6か月を超えて就業した場合、6か月間の雇用に係る賃金額の100分の11(11%。免税事業者は100分の10.3、10.3%)が上限です。ただし実務でこの上限制手数料を採用する事業者はごく少数で、大半の事業者は自社の料率を厚生労働大臣に届け出る届出制手数料を使っています(厚生労働省「有料・無料職業紹介事業者のためのガイドブック」第6 手数料、2026年9月20日取得)。前の見出しで示した職種別の手数料実績率は、この届出制手数料が実際にどの水準で運用されているかを示す実績値です。

自社が受け取った契約書の料率が、上限制手数料の水準(11%相当)を超えている場合、その契約は届出制手数料に基づいていることになります。契約書で確認すべき理論年収の定義や返戻金の条件は、「人材紹介の契約書の注意点」と「返戻金制度」で個別に解説しています。

2025年4月から手数料の公表義務はどう変わったか

2025年4月1日施行の省令改正により、有料職業紹介事業者は取扱職種ごとの常用就職1件あたりの平均手数料率を人材サービス総合サイトに公表する義務を負うようになりました。この記事で集計した職種別の手数料実績率は、この公表義務に基づくデータです。

公表対象には条件があります。対象になるのは事業者ごとに直近年度で常用就職の実績が多い上位5職種のみで、常用就職の実績が10件以下の職種は掲載義務の対象外です。依頼したい職種の実績が少ない事業者では、この数字自体が「取得中」扱いになっている場合があります。人材サービス総合サイトでの検索手順は「人材サービス総合サイトの見方」で解説しています。

採用企業は手数料相場をどう使えばいいか

自社が依頼する職種の中央値・分布と、届いた契約書の料率を見比えるために使います。全体の中央値27.0%だけを基準にすると、看護師や施設介護のように相場が20〜22%台の職種では割高な料率を見落とし、建築・土木や情報処理のように相場が32%台の職種では逆に不自然な低料率を疑うタイミングを逃します。

比較の手順は次の3つです。

  • 依頼したい職種コードで人材サービス総合サイトを検索し、同一職種の手数料実績率と見比べる
  • 契約書の料率(届出制手数料)が理論年収のどこまでを含む前提かを確認します。計算式は「成功報酬の計算方法」で解説しています
  • 早期離職時の返戻金条件も併せて確認します。料率が相場並みでも、返戻金の期間区分が短いと実質コストが変わります

紹介会社を初めて選ぶ場合は、料率だけでなく候補者の定着率も判断材料になります。依頼前に見ておきたい観点は「紹介会社の選び方7つの基準」と「定着率(6か月以内離職率)の調べ方」にまとめています。

よくある質問

Q. 人材紹介の手数料相場は何%か A. 厚生労働省「人材サービス総合サイト」で12職種×47都道府県を集計したところ、手数料実績率を公開している738事業主・1,042件の中央値は27.0%でした。P10は15.0%、P90は36.7%で、職種により20%台前半から30%台半ばまで幅があります。

Q. 手数料率は職種によってどのくらい違うか A. 医療・介護系(看護師22.1%、施設介護20.3%など)は20〜25%に集中し、技術・営業系(建築・土木32.8%、情報処理32.7%、営業32.6%など)は30〜35%に集中します。同じ人材紹介でも職種によって10ポイント前後の差があります。

Q. 上限制手数料と届出制手数料はどう違うか A. 職業安定法第32条の3は、有料職業紹介事業者が徴収できる手数料を、厚生労働省令が上限を定める上限制手数料と、あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づく届出制手数料に区分しています。上限制手数料は6か月間の賃金額の11%(免税事業者は10.3%)が上限ですが、実務では届出制手数料を採用する事業者が大半です。

Q. 手数料実績率を確認せずに契約してもいいか A. 契約前に確認したほうがよいです。届出制手数料は事業者ごとに料率が異なり、契約書の料率と実際の請求実績(手数料実績率)が一致するとは限りません。人材サービス総合サイトで同一職種の実績率と見比べる方法は「人材サービス総合サイトの見方」で解説しています。

まとめ

人材紹介の手数料相場は、全体では中央値27.0%ですが、職種によって20%台前半から30%台半ばまで分かれます。法的には職業安定法第32条の3に基づく上限制手数料(賃金額の11%が上限)と届出制手数料の2種類があり、実務のほとんどは届出制です。転職Docは、この職種別データを他の記事でも同じ形式で更新していきます。契約書の料率を見た際は、全体の相場ではなく同一職種の行と見比べてください。

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