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複数の内定を比べる方法|条件表の作り方と辞退の順序

転職Doc編集部 更新: 2026年9月20日

複数の企業から内定が出たとき、何を基準に選べばいいか迷う人は多いです。結論は、全社に同じ項目で条件を確認し、1枚の表に並べることです。年収の数字だけで決めると、勤務地の変更や試用期間の扱いなど、あとから気づく条件を見落とします。転職Docは、比べる前に揃える書類、条件表に入れる9項目、年収以外の比較軸の決め方、回答期限を延ばす伝え方、辞退する順序、複数のエージェント経由で内定が出たときの注意点を整理しました。

複数の内定を比べる前に、何を揃えればいいか

各社から、労働条件を明示した書面をもらいます。口頭での内定連絡だけでは、あとで条件を確認し直す手間が生まれます。

労働基準法第15条第1項は、使用者が労働契約の締結に際して、労働者に賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています(労働基準法第15条第1項)。この明示は「労働条件通知書」という書面や、内定通知に条件を書き添えた書面で行われます。転職エージェント経由の求人でも、求人者と紹介会社は職業安定法第5条の3により、募集や紹介の時点から従事すべき業務の内容や賃金などの労働条件を明示する義務を負っています(職業安定法第5条の3)。

書面が届いていない企業がある場合は、担当のキャリアアドバイザーを通じて発行を依頼します。比較の土台になるのは、この書面に書かれた条件です。

条件表はどう作ればいいか

1枚の表に、全社を同じ項目で並べます。項目がそろっていないと、A社は基本給、B社は固定残業代込みの総額といった見え方の違いに気づけません。

| 項目 | A社 | B社 | |---|---|---| | 基本給 | | | | 固定残業代の算定 | | | | 賞与の算定 | | | | 年間休日 | | | | 勤務地と転勤の有無 | | | | 試用期間 | | | | 社会保険 | | | | 退職金 | | | | 入社日 | | |

固定残業代は「何時間分を含むか」まで確認します。基本給に見えていた金額の一部が固定残業代だと、実際の時間単価は表示より下がります。試用期間は、期間の長さだけでなく、期間中の待遇(給与・社会保険の適用時期)が本採用後と同じかどうかも確認点です。退職金は制度の有無に加え、勤続何年から対象になるかで比較の意味が変わります。

年収以外に何を比べればいいか

裁量の範囲、評価制度、通勤時間、在宅勤務の可否の4つが、年収と同じくらい生活に影響する比較軸です。求人票だけでは分からないことが多いため、面談やカジュアル面談で確認します。

比べる軸を自分で決めるには、次の3手順を使います。

  1. 気になる軸をリストアップする(裁量・評価制度・通勤時間・在宅可否のほか、自分が挙げたい軸を追加する)
  2. 挙げた軸を、譲れない順に並べる
  3. 内定が出た企業ごとに、各軸を◯・△・×で採点する

年収だけで判断すると、この4つの軸が抜けたまま決めてしまいます。優先順位表を先に作り、内定が出たあとに条件表と重ねて使います。

回答期限を延ばしてもらうには、どう伝えればいいか

担当のキャリアアドバイザーに、延長したい期間と理由を伝えます。企業への確認はエージェントを通じて行います。

○○社の内定について、他社の選考結果も踏まえて慎重に判断したいと考えております。恐れ入りますが、回答期限を1週間ほど延ばしていただけないか、企業側へのご確認をお願いできますか。

回答期限を決めるのは内定を出した企業であり、エージェントは企業側に確認を取る立場です。紹介会社は入社が決まった時点で成功報酬を受け取る仕組みで収益を上げているため、承諾を急ぐよう勧める力が働く場合はあります(詳細は転職Docの「転職エージェントはなぜ無料か」で解説)。延長の依頼自体を控える必要はなく、理由を伝えて確認を依頼すれば十分です。

内定を辞退する順序はどうすればいいか

承諾する1社を決めたら、先にその企業へ返事をし、そのあとで他社を辞退します。承諾の連絡が先に済んでいれば、辞退の連絡で結論を迷う余地がなくなります。

辞退の伝え方や、承諾前・承諾後で扱いが変わる点は「転職エージェント経由の内定辞退」にまとめています。同じエージェント経由で複数の内定が出ている場合は、辞退する企業ごとに結論を伝えます。担当者1人にまとめて状況を共有しておくと、承諾する企業以外への連絡を一括で進めてもらえる場合があります。

複数のエージェント経由で内定を比べるときの注意点は何か

エージェントは、自社が紹介した内定を勧める立場にあります。担当者からの評価だけで判断すると、条件表で並べたときの見え方と違う結論に寄る可能性があります。

複数登録の基本的な考え方は「転職エージェントの複数登録」にまとめています。内定の比較は、担当者のアドバイスを聞いたうえで、自分で作った条件表と優先順位表に戻って判断します。年収の条件を交渉したい場合は「転職エージェントの年収交渉」も参考にしてください。

よくある質問

内定の回答期限は、必ず延ばしてもらえるか

保証はありません。回答期限を決めるのは内定を出した企業側で、エージェントはあくまで企業側に確認する立場です。他社の選考結果を待ちたいなど理由を伝えれば応じてもらえる場合が多いですが、企業の採用スケジュールによっては断られることもあります。

条件表に書く年収は、内定通知の額でなければならないか

内定通知や労働条件通知書に額の記載があれば、その数字を使います。記載がなく目安として仮定の額を置く場合は、表の中に「仮定」と明記し、実際の額と区別します。推測した額を確定額のように書かないことが比較の前提です。

同じエージェントから来た2つの内定を、両方辞退することはできるか

できます。承諾する企業が決まっていない段階でも、条件が合わない内定をその時点で辞退する分には問題ありません。担当者には辞退する企業ごとに結論を伝え、検討中の企業がある場合はその旨も伝えておくと、日程調整がしやすくなります。

内定を複数もらったこと自体を、エージェントに伝えるべきか

伝えたほうが調整しやすくなります。回答期限の延長を依頼するときも、他社の状況を把握してもらったほうが担当者は企業側との交渉を組み立てやすくなります。社名まで伝えるかどうかは自由で、選考状況だけの共有でも構いません。

まとめ

  • 複数の内定は、労働条件を明示した書面を全社からそろえ、同じ9項目の条件表で比べます
  • 年収以外は裁量・評価制度・通勤時間・在宅可否を優先順位表にして、条件表と重ねて判断します
  • 承諾する1社に先に返事をし、そのあとで他社を辞退する順序を守ります

次の一歩として、内定が出た企業の条件表をまず作り、転職エージェントの年収交渉を確認しながら不明点を担当者に質問してください。辞退の伝え方は転職エージェント経由の内定辞退、複数登録の進め方は転職エージェントの複数登録にまとめています。