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転職エージェントの返戻金の仕組み|早期退職で何が起きるか

転職Doc編集部 更新: 2026年9月20日

転職エージェント経由で入社した後、早期の退職を考えたときに「返戻金」という言葉が気になる人がいます。結論から言うと、返戻金は紹介会社が採用企業へ返すお金で、求職者が支払うものではありません。この記事では、制度の仕組み、入社後に定着確認の連絡が来る理由、返戻金の対象期間中に退職を考えたときの求職者側の法的な扱いを、出典つきで整理します。

返戻金制度とは、求職者から見てどういう仕組みか

返戻金制度とは、紹介会社が採用企業から受け取った紹介手数料の一部を、入社者が早期に退職した場合に返還する制度です。契約の当事者は紹介会社と採用企業で、求職者はお金のやり取りに関与しません。

有料職業紹介事業者は、職業安定法第32条の16第3項に基づき、返戻金制度の有無と内容を厚生労働省「人材サービス総合サイト」で公表する義務を負っています。制度の導入自体は任意ですが、公表は必須です。編集部が2026年9月19日に確認した開示例では、保証期間を1か月・3か月の2段階に区切り、期間が短いほど返金率が高い設計が目立ちました。

| 事業者 | 対象期間・返金率 | 出典(確認日) | |---|---|---| | JAC Recruitment | 3か月以内、自己都合退職で原則50%(適用条件は契約による) | 公式サイト(2026-09-19) | | アポプラスキャリア株式会社 | 1か月以内80%/1〜3か月以内50% | 人材サービス総合サイト開示PDF(同) | | sincereed株式会社 | 1か月以内100%/1〜3か月以内70% | 人材サービス総合サイト開示PDF(同) |

3社に共通するのは、在籍期間が長くなるほど返金率が下がり、一定期間を超えると返金がゼロになる設計です。転職Docでは、この対象期間の長さが入社後の連絡頻度に関わる点を次の章で扱います。

入社後に「その後どうですか」と連絡が来るのはなぜか

返戻金の対象期間中に離職者が出ると、紹介会社の収入が減るためです。紹介会社にとって、入社者が保証期間を超えて定着することは収入を確定させる意味を持ちます。連絡の頻度が上がる時期は、開示された返戻金の対象期間とおおむね重なります。

この連絡は監視ではなく、定着支援の一環として設計されている場合がほとんどです。仕事内容や人間関係で困っていることがあれば、担当者に伝えると職場との調整に動いてもらえることもあります。連絡自体を不安に感じる必要はなく、状況を率直に伝える機会として使うほうが実利があります。

早期退職しても、求職者がお金を払うことはあるか

原則ありません。職業安定法第32条の3第2項は、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を徴収することを禁止しています。返戻金は紹介会社と採用企業の間の契約であり、求職者が当事者になる制度ではありません。

一方で、紹介会社や採用企業との間で「一定期間内に辞めたら違約金を払う」といった書面にサインを求められるケースは別問題です。使用者が労働契約の不履行について違約金や賠償額を予定する契約を結ぶことは、労働基準法第16条で禁止されています。ただしこの条文が想定するのは雇用主と労働者の関係で、紹介会社との合意書に同種の条項がどこまで及ぶかは契約の性質によって個別の判断が必要です。この点は要確認とし、心当たりがある場合は都道府県労働局への相談を先に検討したほうがよいです。

返戻金の対象期間中に退職を考えたら、何を基準に判断すればよいか

退職理由によって、確認すべき条文が変わります。

求人票や面談で示された労働条件と、実際の勤務条件が違う場合は、労働基準法第15条第2項が使えます。同項は、明示された労働条件が事実と相違するとき、労働者が即時に労働契約を解除できると定めています。返戻金の対象期間かどうかは、この権利の有無に影響しません。

それ以外の一般的な自己都合退職は、民法第627条が基準になります。期間の定めのない雇用契約は、解約の申入れから2週間が経過すると終了します。内定辞退の伝え方で扱った内定段階とは異なり、入社後の退職は民法のこの規定に従って進めることになります。

返戻金の対象期間だからという理由だけで退職の判断を先延ばしする必要はありません。判断材料は、あくまで自分の労働条件と就業継続の意思です。

医療・介護・保育分野で、返戻金の対象期間が6か月に延びているのはなぜか

認定基準が見直されたためです。厚生労働省の「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」は、令和6年度から必須基準を変更しました。令和5年度までは「返戻金制度を設け、具体的内容を明示していること」が必須基準でしたが、令和6年度からは「求職者が就職後6か月以内に離職した場合の返戻金制度を設けていること」に明確化されています。

この認定基準は医療・介護・保育の3分野が対象です。この3分野で転職エージェントを使う場合、対象期間が3か月ではなく6か月に及ぶ紹介会社があり、定着確認の連絡も長い期間続く可能性があります。期間の長さ自体は求職者への金銭的な不利益を意味しません。

契約前に返戻金制度の有無を自分で確認するにはどうすればよいか

厚生労働省「人材サービス総合サイト」で確認できます。有料職業紹介事業者は職業安定法第32条の16第3項に基づき、事業所ごとに返戻金制度の有無と内容を同サイトへ掲載する義務を負っています。制度がない場合も「設けていない」旨の明示が必要です。

検討している紹介会社があれば、登録前に事業所名で検索し、返戻金の開示内容を確認しておくと、入社後にどの程度のフォロー連絡が想定されるかの見当がつきます。具体的な検索手順は人材サービス総合サイトで転職エージェントを調べる方法にまとめています。求人・面接・内定の各段階での断り方は転職エージェントの断り方、無料の仕組み全体は転職エージェントはなぜ無料なのかで解説しています。

よくある質問

返戻金の対象期間中に転職先を辞めたら、自分が紹介会社にお金を返すことになるか

なりません。返戻金は紹介会社が採用企業に紹介手数料の一部を返す制度で、求職者が費用を負担する制度ではありません。職業安定法第32条の3第2項により、求職者からの手数料徴収は原則禁止されています。

入社後に転職エージェントから何度も連絡が来るのは、辞めないか監視されているのか

定着確認の一環である場合が多いです。返戻金の対象期間中に離職者が出ると紹介会社の収入が減るため、状況を確認する連絡が増えます。困っていることがあれば、監視ではなく相談の機会として使うほうが実利があります。

紹介会社との書面に「一定期間内に辞めたら違約金を払う」と書かれていた。有効か

要確認です。使用者が労働契約の不履行について違約金や賠償額を予定する契約を結ぶことは労働基準法第16条で禁止されていますが、この条文は雇用主と労働者の関係を対象にしており、紹介会社との合意書に同種の条項が有効かは契約の性質によって個別に判断が必要です。不安な場合は都道府県労働局に相談してください。

求人票と実際の労働条件が違う場合、返戻金期間中でもすぐに辞められるか

辞められます。労働基準法第15条第2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者が即時に労働契約を解除できると定めています。返戻金の対象期間かどうかは、この権利に影響しません。

契約を検討している紹介会社に返戻金制度があるかどうか、入社前に確認できるか

確認できます。有料職業紹介事業者は職業安定法第32条の16第3項により、返戻金制度の有無と内容を厚生労働省「人材サービス総合サイト」で公表する義務を負っています。調べ方は「人材サービス総合サイトで転職エージェントを調べる方法」で解説しています。

まとめ

  • 返戻金は紹介会社が採用企業に返すお金で、求職者からの手数料徴収は職業安定法第32条の3第2項で原則禁止されています
  • 入社後の定着確認の連絡は返戻金の対象期間と重なることが多く、労働条件の相違があれば労働基準法第15条第2項で即時退職が、それ以外は民法第627条が判断の基準になります
  • 契約前に紹介会社の返戻金制度を確認しておくと、入社後の連絡がどの程度続くかの見当がつきます

次の一歩として、契約を検討している紹介会社の返戻金制度を人材サービス総合サイトで転職エージェントを調べる方法の手順で確認してください。転職Docでは、無料の仕組み全体を転職エージェントはなぜ無料なのかで、求人・内定の断り方を転職エージェントの断り方でまとめています。