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求人の年齢制限は認められるか|原則禁止と例外、断られたとき

転職Doc編集部 更新: 2026年9月20日

求人票に「35歳まで」といった年齢の表記を見かけたり、エージェントから「年齢的に紹介できる求人が少ない」と言われたりすると、違法ではないかと感じる人がいます。結論は、年齢だけを理由にした募集制限は原則禁止で、認められるのは一部の例外事由に当たる場合だけです。この記事では、原則と例外の区分、求人票の表記の見方、エージェントが紹介を絞る場合の構造、断られたときの相談先を条文にもとづいて整理します。

求人票の年齢制限は違法なのか

原則として違法です。労働施策総合推進法第9条は、事業主に対して募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保を義務づけています。年齢だけを理由に応募自体を制限する求人票は、この規定に反します(労働施策総合推進法第9条、2026年9月20日確認)。

この規定は平成19年の法改正で義務化されました。少子高齢化が進むなかで、年齢による機会の制限が課題とされたことが背景にあります。義務化以降、求人票に「○歳以下」とだけ書いて理由を示さない募集は認められない扱いです。

ただし、原則禁止には例外があります。次の章で説明する事由に当たる場合に限り、事業主は年齢を条件とした募集・採用を行えます。例外に当たらない限り、年齢だけを理由にした制限は認められません。

どんな場合に年齢を条件にできるのか

労働施策総合推進法に基づく施行規則が定める事由に当たる場合に限り、年齢を条件とした募集・採用が認められます。主な事由は次の6つに整理できます。

  1. 定年年齢を条件とする場合: 定年制がある企業が、定年年齢を上限として募集・採用する場合
  2. 長期勤続によるキャリア形成が目的の場合: 新卒採用など、若年層を対象に長期的な人材育成を図る募集
  3. 技能・ノウハウの継承が目的の場合: 特定の職種で在籍年齢層が薄く、技能や知識を引き継ぐ目的で年齢層を限定する募集
  4. 芸術・芸能等で表現の真実性が求められる場合: 俳優や年齢設定のある役柄など、表現上の必要から年齢を条件とする募集
  5. 高年齢者の雇用促進が目的の場合: 60歳以上の高年齢者などを対象に、雇用促進を目的として年齢を条件とする募集
  6. 法令により就業が制限されている業務の場合: 他の法令で特定の年齢層の就業が禁止・制限されている業務で、その年齢層を除いて募集する場合

いずれも、年齢を条件にする理由が「その業務・雇用形態に固有の必要性」に基づくことが前提です。理由を示さず年齢だけで区切る募集は、この6事由に当たりません。

求人票に「35歳まで」等の表記がある場合はどう見ればいいか

表記があること自体では違法かどうかは決まりません。確認する点は、その年齢条件が前章の6事由のどれかに基づいているかどうかです。

新卒・第二新卒向けの求人で「35歳まで」といった表記がある場合、長期勤続によるキャリア形成を目的とした募集に当たる可能性があります。一方、経験者採用の求人で理由を示さず年齢だけを条件にしている場合は、原則に反する可能性が残ります。

求人企業や紹介会社は、職業安定法第5条の3により、業務内容や労働条件を求職者に明示する義務を負います。年齢条件の根拠を尋ねれば説明を受けられる場合があります(各紹介会社が求人票上にどこまで明示しているかは、サービスごとに差があり要確認です)。

エージェントが「年齢で紹介できない」と言う場合は何が起きているのか

求人企業側の年齢条件と、紹介会社側の紹介判断という2つの要素が関わっている可能性があります。

求人企業側では、前章の例外事由に基づいて年齢を条件にしている求人と、条件を明示していない求人が混在します。紹介会社側では、紹介した人が入社に至る見込みの高さを踏まえて、紹介する求人を選ぶ判断が働きます。この判断の仕組みは、紹介会社が採用企業から受け取る成功報酬の構造とも関係しています。詳しくは「転職エージェントはなぜ無料か」で説明しています。40代・50代の紹介の変化は「40代・50代の転職エージェント」にまとめています。

「年齢的に紹介できる求人が少ない」という説明を受けたとき、それが求人票の条件によるものか、紹介会社の判断によるものかは、説明の内容だけでは切り分けが難しい場合があります。違法かどうかは求人票の表記と実際の選考プロセスの両方で判断が分かれるため、この記事では断定しません。

この場面で確認する基準は何か

次の4点を確認すると、判断の材料が増えます。

  • 例外事由の根拠が示されているか: 「新卒・第二新卒向け」「定年○歳未満」などの記載があるかを見ます
  • 紹介理由が年齢以外の基準も含むか: 経験・資格・スキルなど、年齢以外の評価基準が説明に含まれているかを確認します
  • 他の年齢層向け求人があるか: 求人検索の絞り込みで、対象年齢層の幅を確認できる場合があります
  • 複数の紹介会社を並行して使っているか: 1社の説明だけで判断せず比べます。複数登録の進め方は「転職エージェントの複数登録」で解説しています

よくある質問

求人票に「35歳まで」と書かれていたら、その時点で違法か

表記だけでは判断できません。労働施策総合推進法第9条は年齢制限を原則禁止していますが、施行規則が定める例外事由(定年、新卒等の長期勤続によるキャリア形成、技能継承、芸術・芸能、高年齢者の雇用促進、法令による就業制限)に当たる場合は年齢を条件にできます。求人票や募集要項に例外事由の根拠が示されているかを確認する点になります。

面接で年齢を聞かれること自体は問題か

面接で年齢を確認すること自体を禁じる規定はありません。問題になるのは、募集・採用の入口で年齢だけを理由に応募を制限する場合です。選考の過程で年齢以外の評価基準が示されているかを見ておくと、判断の材料になります。

エージェントから「年齢的に紹介できる求人が少ない」と言われたら、それは違法か

言われた内容だけでは分かりません。求人企業が適法な例外事由に基づいて年齢を条件にしている場合と、紹介会社が決定率を優先して年齢層を絞る場合の両方が考えられます。求人票に例外事由の明示があるかを確認し、複数の紹介会社を比べる方法があります。

年齢を理由に断られたと感じたときの相談先はあるか

都道府県労働局が相談を受け付けています。相談先の探し方や伝えると話が進みやすい情報は「転職エージェントへの苦情・相談窓口」にまとめています。

まとめ

  • 求人票の年齢制限は労働施策総合推進法第9条により原則禁止で、認められるのは施行規則の6つの例外事由に当たる場合だけです
  • 「35歳まで」等の表記は、それ自体では違法・合法を判断できません。根拠となる事由が示されているかが確認点です
  • エージェントが年齢で紹介を絞る場合、求人企業側の条件と紹介会社側の判断の両方が関わります

次の一歩として、気になる求人票やエージェントの説明に年齢条件の根拠が示されているかを確認してください。納得できない対応を受けたときの相談先は「転職エージェントへの苦情・相談窓口」、求人を紹介されない理由全般は「求人を紹介されないときの理由」、40代以降の紹介の変化は「40代・50代の転職エージェント」でまとめています。

転職Docでは、紹介会社ごとの許可番号と公開データを出典つきで並べています。年齢を理由に紹介を絞られたと感じたときは、転職エージェント一覧で対応職種の他社を確認してください。